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省エネ・長寿命製品のつくり方
あかりを楽しむ 第1回 白熱電球について 2014年03月12日
照明のスイッチを入れると周りを明るく照らす白熱球や蛍光灯は私たちの生活に密接に結びついています。
しかし、省エネ性や寿命で優れたLED電球に置き換えが進みつつある中で、白熱電球というかつての歴史的な発明が静かにその役目を終えようとしているのも切なく感じます。
この場を借りてライティング事業部から照明や省エネ・長寿命製品の話しをみなさんにお届けしようと思っています。
今回は長年私たちの生活を照らし続けてきた白熱電球の発明者に敬意を表し、白熱電球の歴史を振り返ってみます。
電気を使った照明の歴史は人類が生きてきた旧石器時代の炎を明かりとした「たいまつ」や古代エジプトで使われていたとされる「ロウソク」よりはるかに短く、白熱電球が誕生したのは1800年代後半のことです。
産業革命以降、電気が発明されることで世界の各国で白熱電球の開発競争が始まります。のちに1879年にエジソンが完成させた「フィラメント電球」が有名です。発光の基本構造となる「フィラメント」という線状の素材が重要で、フィラメントは2000度を超える高温に耐えられる素材でなくてはなりません。
イギリスのスワンによって木綿糸に「すす」を塗って蒸し焼きにしたフィラメントで点灯に成功しましたが、その後アメリカのエジソンが「日本の竹」を炭素化した素材が優れていることを発見することで長時間の点灯に成功しました。現在では「タングステン」という金属を採用していますが、基本構造自体は発明された当時とほとんど変わっていません。
白熱電球の利点は蛍光灯やLEDと違って、電源回路が不要なとてもシンプルな構造にあります。小学生のころ理科の実験で学んだ直流の電源(電池)や家庭の交流電源のどちらでも点灯可能であり、一般的な電源周波数であれば周波数が変化してもちらつきがありません。更にLED電球が苦手とするスムーズな調光が可能で光量をゼロに近いところまで絞ることができるのも魅力です。白熱電球のレトロな雰囲気やインテリアを美しく見せる暖かみのある光源は照らされている色の再現性(演色性)が高く、LED電球で再現するのは困難です。
しかしながら低炭素、低消費電力の社会を目指す方向で世の中が動いている以上、世代交代も致し方ないのかもしれません。