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省エネ・長寿命製品のつくり方
あかりを楽しむ 第2回 明るさの価値観 2014年03月31日
東日本大震災による福島第一原発の事故は、改めてエネルギー問題の大きさを国内外に知らしめるものとなりました。家庭や職場では危機的状況を乗り越えるために「がまんの節電」を余儀なくされ、エアコンの温度調整や小まめな消灯など、地道な努力を続けた方も多いのではないでしょうか。
節電意識が高まる前までは、戦後の高度経済成長と共に急速に照明器具の性能が向上し、その恩恵で家庭やオフィス、店舗などの照明は、より明るい環境が好まれる傾向となり、「明るければ明るいほどいい」と、明るさは豊かさの象徴のように信じられ、日本の照明はいつの間にかヨーロッパ諸国に比べて異なった明るさの価値観が育ったようです。
ちょっと話は大きくなりますが、宇宙飛行士の若田光一さんが国際宇宙ステーションに滞在中、日本の夜景を撮影した映像が公開され話題となりました。その映像はとても神秘的で、その都市の豊かさを輝きの大きさで表しているようにも見えます。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、日本列島は周辺諸国と比較すると明るさが突出していて、見方を変えれば日本は無駄にエネルギーを浪費しすぎているかもしれません。
NASAの公開画像
そもそも照明はそんなに明るくする必要があるのでしょうか。
日本のオフィスの照度基準は戦前から10倍近くまでどんどん上がり、現在に至ります。
外光を遮断して部屋の隅々まで照らすオフィスの照明、店内と路上との明暗さが大きいコンビニエンスストアやレンタルショップ、看板灯や自動販売機など、私たちはとても明るい光りに囲まれて暮らしています。このくらいの明るさでちょうど良いのでは、と慣れてしまったのでしょうか。
日本人は照明を暗くすると貧乏くさいとか、目が悪くなるからと思い込んでしまいがちですが、ヨーロッパ諸国はその逆で、優しいひかりを大切にします。元々省エネ意識も高く、間接照明やペンダント照明、デスクスタンドなど、用途や目的に応じて配置され、使い分けているようです。
光りは空気や水と同じくらい私たちが生活する上で大切なものです。
震災復興、電気料金の値上げを機会に明かりを見直してみませんか。