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PCB基板(プリント配線基板)の技術は業務以外では
専門的体系的に学ぶ学校や機会がないというのが現状。
最新技術や技術動向よりも、初歩的なところ肝心なところを
おさえてほしいというお客様の声からはじめる技報コラムです。
LEDと基板についてのコラム 4 2014年12月06日
LEDと基板についてのコラムの第4回(最終回)です。
LED関係の話題として先日報じられたおりましたが、2014年のノーベル物理学賞が青色LEDの発明と実用化に貢献した日本の方々に授与されました。
LED照明などで使用される光源(白光色のLED)の元となる青色LEDの発明がノーベル賞に値したということで、LEDに対する注目はさらに大きくなっていくのではないでしょうか。
さて、このコラムも最終回となりましたが今回は前回の終わりの方で少し触れたLEDの発熱とそれに対する基板の放熱について調べてみたいと思います。
前回のコラムでもお伝えしたように、照明用途で用いられるような高出力のLEDには発熱の問題があります。
そして、その発熱に対する放熱対策の有効な手段のひとつとして、LEDを実装している基板の熱伝導性を高めることが挙げられます。
LEDと基板は直に接している為、基板を電気だけでなく熱の通り道としても利用するというわけです。
そこで問題となる基板の熱伝導性を高める方法ですが、大きく分けて下記の2つがあります。
①基板の素材そのものをより熱伝導率の高いものにする
②アートワークを工夫する
①の素材につきましては一般的なガラスエポキシ基板をアルミのような金属素材(より熱伝導率の良い素材)に代えることで基板の熱伝導性が良くなります。
②のアートワークの工夫で有効な手段としてはサーマルビアを設ける事や基板上の銅箔パターンを広くする事が挙げられます。
銅も熱伝導率が良いのでその面積を広くすれば基板の熱伝導性が向上します。
また、両面以上の層構成の基板の場合にはサーマルビアを使って熱を異なる層の銅箔パターンへ伝える事ができるようになりますので同じく熱伝導性が良くなります。
非常に簡単な説明となりましたが実際に基板を設計する際になりますと材料ではコストの問題があったり、アートワークでもスペースの確保の問題などがでてきます。
また、銅箔パターンやサーマルビアにつきましては単純に面積や個数に比例して放熱性があがっていくというものではありませんので効果的なパターンやビアの配置、個数等をその時々の状況により判断して最適な設計をする必要があるようです。
↑スマートフォンの背面、カメラの横に配置されたLEDライト